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しあわせのはな(あらすじ)

更新日:2023年5月7日

当社制作の無声アニメーション、しあわせのはな。

現在、いくつかのインディーズ映画祭のアニメーション部門に出展チャレンジしております。

公開前に作品のことをより知っていただければということで、あらすじやコンセプトなどについて紹介できればと思っております。

本日は、ストーリーの簡単なあらすじについて。



ある所に、一輪の小さな花が咲いていました。




決して目立つわけでもなく、決して美しいわけでもない、 どこにでも咲いていそうな

ただ 1 輪の花でした。


花は、広い世界のこの場所にポツリと咲いて、じっとひとりで生きて来ました。






ある時は、日差しの中の太陽に照らされながら。

ある時は、寒い雪に埋もれながら。 ある時は、強い風に吹き付けられながら。

それでも必死に必死に、「イマ」を生きてきました。




「もしも、私が。。。」 ひとりぼっちの花はふと想像します。





もしも、私が北の大地に咲くラベンダー だったなら、 には丘いっぱいに、 青色のお花を咲かせて、幸せが来るのを待つというの に。





もしも、私が南国に咲くハイビスカス だったなら、


黄色い豪華なお花を咲かせて、勇ましく華やかな人生を送るのに。





もしも、私が地球の裏側に咲くサルビアだったなら、真っ赤な花びらの仲間たちに囲まれて、温かく愛されながら生きるのに。





もしも私が寒い国に咲くフキならば、 でも愛嬌振りまいて、

誰かのそばにそっと寄り添うのに。





あぁ、もしも、もしも私が今よりもっと綺麗な花に生まれていたのなら きっと花として素敵な人生を送っていたのに。


だけど、今の私の姿は、綺麗でもない、華やかでもない、愛嬌もない、ただの孤独な花。


「次は、もっとたくさんの人が羨ましがるくらい素敵な花に生まれますように。」




さっきまで明るかった空は、やがて真っ暗闇に包まれました。

ふと急に、悲しい気持ちが襲ってきます。

悲しい気持ちを表すかのように空は雨模様。

雨は、どんどんどんどん強く降りつけます。





「こんな雨はよくあること。 だってどんなに辛い日も一人でじっと生きて来た。」


やがて夜も深くなります。今日は一段と冷え込みました。





「こんな寒さもよくあること。 だってどんなに辛い夜も一人でじっと生きて来た から。」








おや?だけど、今日はどうやら一人じゃないようです。

そっと、1 匹の犬が近づい て来ました。




「あら、あなたもひとりぼっちなの?」

犬は、何も言わず、側に寄り添って来ました。






暖かい、犬の温もり。 花はとても幸せな気持ちになりました。


肌寒い夜、犬の暖かさはまるで、“陽だまり”を思い出すようです。




「そうだ!次に生まれ変わる時は、こんなふうに誰かの“陽だまり”になれるよう な花になりたい」 花は心からそう思いました。花と犬は静かに、長く深い眠りにつきました。






それから、しばらくして...夏の季節が訪れました。


外からは、子供達の元気な声が聞こえてきます。


「あれ、綺麗な花が咲いてるよ」


「あれ、ワンちゃんも一緒だ!」


「このお花を気に入っているのかなー」




もしも私が、、だったなら

そう願った一輪の花は

やがて、華やかな向日葵となり、

幸せ寄り添うように生きるのでした。

全ての温かさを包み込むように。














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